なぜ空売りをすると株価は下がるのか?株価が動く仕組みを簡単に解説

【空売り戦略の教科書⑩】なぜ空売りをすると株価は下がるのか?

投資を始めると株価の値動きが気になります。投資を始めたばかりの頃は、保有株の株価が上がったのか下がったのか、仕事の合間にも関わらずついつい株価の動向が気になる人も多いのではないでしょうか。

では、株価はなぜ上がったり、下がったりを繰り返すのでしょうか?また、空売りをするとなぜ株価は下がるのでしょうか?その仕組みを知らずして空売り取引をすることに躊躇する方も多いでしょう。ここでは、株価が動くメカニズムについて、誰でもわかる言葉で解説します。

そもそも、なぜ株価は動くのか?

株価は、需要(demand)と供給(supply)のバランスによって変動します。買いたい人が増えると株価は上昇し、売りたい人が増えると株価は下落します。

需要と供給の例えを「マスク」を例に説明します。

新型コロナウイルスの影響によりマスクが品薄になると、買いたい人が増えるので、高い金額を支払ってでも買い手がいるので、マスクの値段は上がっていきます。逆に、マスクの供給が安定して、市場にマスクが多く出回ると、マスクを欲しいと思っている買い手よりも売り手の方が多くなります。売り手としては在庫を抱えたくないと考え、マスクの値段は下がっていきます。買い手と売り手、需要と供給のバランスにより、マスクの値段も変動するということが分かります。

株式市場もこれと同じです。毎日世界中の投資家が、株・債券・コモディティなどを物色して売ったり買ったりしているので、株価が動きます。

空売りをすると株価は下がるのか?

では、空売りをすると株価に影響はあるのでしょうか?その謎を解く前に、空売りの基本的な流れをおさらいしておきましょう。

空売りの仕組み

株価が下がる局面で利益を狙う手法を「空売り」といいます。空売りの基本的な流れは以下の通りです。

  1. 証券会社などから株を借りる
  2. 借りた株をすぐに市場で売る
  3. そのあと市場で株を買い戻す
  4. 買い戻した株を証券会社へ返す

具体例を見てみましょう。

ある企業の株価が下がると見通して、3,000円の時点で空売りを開始しました。証券会社などから株を借りて、すぐに市場で3,000円の価格で売ります。この時、手元に3,000円の現金が残ります。

数日後、株価が2,000円に値下がりました。投資家は手元の3,000円の現金を用いて、2,000円分の株を買い戻します。その差額1,000円=(3,000-2,000)が投資家の利益となります。

空売りをすると株価が下がる仕組み

上記の例の通り、そもそも投資家が株を空売りするためには、証券会社などから株を借りなければいけません。また、借りた株を市場で即座に売る必要があります。

これをまとめて行うと、株式市場には「買い手」より「売り手」が多くなります。「売り手」の存在が増えるということは供給量が増えることを意味しており、すなわち短期的には株価を押し下げることになります。

まとめ

株価が変動する理由は、需要と供給のバランスが常に変化しているからです。買いたい人が多ければ株価は上昇し、売りたい人が多ければ株価は下落します。つまり、空売りの総量が増えるということは、売りたい人が多くなることを意味しているので、結果的に株価は下落することになります。

【参考】
当サイトでは、日本株の個別銘柄を中心に空売り残高の比率をチャートで公開しています。空売り残高比率が高まることは、売りたい人が多いことを意味しています。つまり株価に対して悲観的な感情を持つことを表しています。そのような市場の感情を図る指数として、投資戦略に活かしていただければ幸いです。

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